Society5.0の鍵となる主なIT
- IoT
- ビッグデータ
- AI
- ロボット
- 5G
- XR
Society 5.0で鍵となるITについて学びましょう。
では、Society 5.0とは具体的にどんな社会なのでしょうか。内閣府は次のように説明しています。
内閣府が掲げるSociety 5.0
Society 5.0で実現する社会は、IoT(Internet of Things)で全ての人とモノがつながり、様々な知識や情報が共有され、今までにない新たな価値を生み出すことで、これらの課題や困難を克服します。また、人工知能(AI)により、必要な情報が必要な時に提供されるようになり、ロボットや自動走行車などの技術で、少子高齢化、地方の過疎化、貧富の格差などの課題が克服されます。社会の変革(イノベーション)を通じて、これまでの閉塞感を打破し、希望の持てる社会、世代を超えて互いに尊重し合あえる社会、一人一人が快適で活躍できる社会となります。
出典:内閣府 Society 5.0 - Society 5.0で実現する社会 https://www8.cao.go.jp/cstp/society5_0/
出典:内閣府 Society 5.0 https://www8.cao.go.jp/cstp/society5_0/
Society 5.0を実現するためにはITが不可欠です。Society 5.0の鍵となるITを確認しましょう。
Society5.0の鍵となる主なIT
IoTは「モノのインターネット」とも呼ばれます。パソコンやスマートフォンだけでなく、センサや家電などのさまざまなモノがインターネットでつながり、情報をやり取りする技術やサービスです。
IoT機器同士がどのように自動で連携し処理を行うか確認しましょう。
IoTの活用自動化やデータ分析は以下の手順で実施されます。
これらの手順について、確認していきましょう。
光センサや温度センサなどのセンサを利用し、データを収集します。
センサでデータを収集することを、「センシング」といいましたね
センシングにより収集されたデータは、インターネット経由でコンピュータに送信されます。
通信は、屋内であればWi-FiやBluetooth、屋外でWi-Fi等が使用できない場合は、4Gや5Gといった移動体通信が利用されます。
移動体通信は、IT01-05「モバイル端末2 モバイル通信とスマホアプリ
」で学びました。
移動体通信であれば、5Gを使用することで、大量のデータを短時間で送信できます。
コンピュータがデータを受信し、そのデータを処理します。
例えば、受信したデータを元に、他のIoT機器を制御するべきかの判断を行ったり、今までに蓄積したデータで分析を行ったりします。
コンピュータは、IoT専用のコンピュータを使用することもあれば、家庭で利用されているパソコンを利用する事もあります。
IoT機器の制御は、コンピュータが行っているんですね。
コンピュータがIoT機器に指示を出します。
例えば、室温が上がっていた場合は冷房をONにしたり、工場の機器の異変を検知したら動作を停止したりと、IoT機器によって適した制御の指示を送ります。
コンピュータからの指示でIoT機器が動作することで、自動化が実現できているのですね。
代表的なものがスマートホームです。スマートフォンやスマートスピーカ、センサ、家電などがインターネットでつながり、利用者の生活リズムと行動パターンを学習して自動で作動したり、遠隔操作を可能にしたりします。
IoTは家の中だけでなく、工場や、交通網などの社会システムでも使われます。インターネットに接続されたモノ同士が協調することで、より便利な社会を実現してくれます。
ビッグデータとは、情報機器やそれらを使った人々の行動から生み出される大量のデータのことです。
例えばICカードを利用して電車に乗って移動し、コンビニでスマートフォンを使ってキャッシュレス決済をする一連の行動を考えてみましょう。これらの行動によって、次のようなデータが生み出されます。
他にも、SNSへの投稿や閲覧、ネット動画の視聴、ネットショッピング、ウェアラブルデバイスの装着により取得されるバイタルデータなど、人々の活動によって膨大なデータが日々発生しているのです。
ビッグデータはその量の多さから、従来のコンピュータでは処理することが困難でした。しかし、コンピュータの性能の向上やAIの登場により、ビッグデータを解析することが可能になりました。
ビッグデータを解析することで得られる情報や知識は、次のように役立つと期待されています。
予測と最適化
膨大なデータを元にした正確な予測を行います。例えば、過去の天気や地震などの情報を解析することで災害に備えたり、貯水量や発電量のコントロールなどに役立てます。
新たな価値の創出
ビッグデータを分析することで、まだ発見されていない新たな法則を見つけ出します。今まで気づいていなかった隠れたニーズを見つけ、新しい商品やサービスの開発に役立てます。
ビッグデータを解析して価値のある情報を見つけ出すことを「データマイニング」といいます。マイニングとは鉱山の採掘という意味です。
鉱山から宝石や貴金属を探し出すように、ビッグデータの解析はデータの山からお宝を探し出す作業なんですね。
AI(人工知能)とは、人間のような知能を持ったコンピュータシステムのことを指します。人間が持つ知識や経験をコンピュータに学習させることで、自ら問題を解決し、判断を行うことができるようになります。
AIはデータを分析して予測や判断を行い、自動運転車や医療、農業などのさまざまな分野で活用されています。
AIを学習するためには膨大な教師データが必要です。ビッグデータはAIの学習に重要な役割を果たしています。
ロボットは、センサ、知能・制御系、駆動系の3つの要素技術で構成される、知的な機械システムです。
ロボットの要素技術を人間の機能に例えると、次のようになります。
高度なロボットには「知能」にあたる機能にAIが使われています。過去に学習したデータとセンサから得た情報を元に周囲の状況を判断し、操作しようとするモノに合わせた制御を行います。AIを利用したロボットは、プログラムであらかじめ決められた動作しかできないロボットに比べて、臨機応変に活動することができます。状況が一定ではない災害現場などの場所や、人と接する場面などでは、AIを利用したロボットが必要とされています。
ロボットの性能の向上には、AIの発展も欠かせないんですね。
5Gとは第5世代移動通信規格のことで、従来の通信規格に比べて次のような特徴があります。
高速大容量
同時に複数のアンテナを利用して並列でデータを送受信することで、高速に大量のデータをやりとりできます。
高画質な映画の視聴でも、止まることなく再生できます。
高信頼、低遅延
基地局のそばにデータを処理するコンピュータを設置することで、通信にかかる時間が短くなります。
遠隔地にあるIoTデバイスをリアルタイムで操作することができます。
同時多数接続
基地局と端末との間の通信をシンプルにすることで、基地局に同時に接続できる端末の数が増えます。
多数のデバイスを利用した大規模なIoTが実現できます。
5Gはネットワークを通した映像の配信、IoTや遠隔操作といった技術の基盤になるんですね。
XR(Extended Reality、クロスリアリティ)は、AR(Augmented Reality:拡張現実)、MR(Mixed Reality:複合現実)、VR(Virtual Reality:仮想現実)といった、情報通信技術によって現実にはない映像や情報をまるでそこにあるかのように感じさせる技術の総称です。
| AR(Augmented Reality:拡張現実) | MR(Mixed Reality:複合現実) | VR(Virtual Reality:仮想現実) | |
|---|---|---|---|
| 説明 | 現実世界に仮想の情報を重ね合わせる | 現実世界に仮想の情報を融合する | 仮想空間に仮想の情報を表示する |
| 現実が見えるか | 見える | 見える | 見えない |
| 主な使用機器 | スマートフォン、タブレット | メガネ型デバイス、透過型のゴーグル | VRゴーグル(非透過型) |
| 例 | 現実の部屋の中に仮想のネコが表示される | 現実の部屋の中に仮想のネコが表示され、ジェスチャーで撫でることができる | 仮想の風景の中に仮想のネコが表示され、ジェスチャーで撫でることができる |
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XRでは離れた場所にいる人やモノに対して、まるで同じ空間にいるかのように、その人と会ったりモノを操作したりといったことができます。空間を超える技術と言えるかもしれませんね。
XRでは動作に合わせたリアルタイムな映像を受け取る必要があるので、5Gなどの高速通信が欠かせません。
ITによって、Society 5.0ではどのようなことが実現できると考えられているでしょうか。
いくつか例をみてみましょう。
自動運転が実現することで、地域の過疎化によって交通手段を失った人や、高齢者や身体の不自由な人の移動の助けになります。
詳しくはスライド学習④で説明します。
XRの技術によって、遠隔地にいる患者を手術します。都心部の病院に転院することが難しい患者でも、専門医の手術を受けることができます。
手術には繊細な操作が必要なため、高度なロボット技術と、高速で低遅延な5Gなどの通信が求められます。
また、ウェアラブルデバイスを利用することで健康状態を24時間観察したり、遠隔地の人のバイタルデータをリアルタイムで取得し診断に役立てることもできます。
AIとロボット技術の発展によって、現在は主に人が働いている農業や建設現場、病院、スーパーといった場所でも、ロボットが一緒に働くようになるでしょう。
また、身近なところでは荷物の配達を行うロボットや、コンシェルジュのようにきめ細やかに一人ひとりをサポートをしてくれるロボットなど、多様なロボットが活躍する社会が予想されます。
Society 5.0はこれから作られていく社会です。みなさんはどんな社会にしたいですか?