ここではもう一歩進んで、誰にでもわかりやすい情報の伝え方や、誰でも使いやすいモノやサービスを作るための知識を学びましょう。
これらが意識できると、よりよいデザインになりますよ。
情報活用編プラス
第2章「コミュニケーションと情報デザイン」
IP01-07
情報デザインと表現方法
ユーザ目線のデザインの工夫とユニバーサルデザイン
アフォーダンスとシグニファイア
突然ですが、育人くん、これを使ってみてください。
はぁ、なんですかこれ?(黒い部分に手をかけて持つ)
ポチッとな。(赤い部分を押す)
ちょっと、使い方それで合ってるの!?
はい、合ってますよ。育人くん、なぜ黒い部分を持ったんですか?
なんか、手をかけたら持ちやすそうだったんで……。
では、なぜ赤い部分を押したんですか?
なんか、押せそうだったんで……。
(育人って取扱説明書を読まないタイプよね……)
ふふ、その「◯◯できそう」という情報が大切なんですよ。
私達はたくさんのものに囲まれて生活していますが、初めて見たものであっても、大抵は説明書を読まなくても使うことができます。
それは、「アフォーダンス」と「シグニファイア」によるものです。
アフォーダンスは、「ものに対して行うことのできる動作」です。
例えばドアに対しては「開ける」という動作ができますので、「開ける」アフォーダンスが存在します。他にも、「叩く」「外す」「壊す」などのアフォーダンスが存在します。
アフォーダンスはドアに対して行える動作の数だけが存在しますが、もしドアにドアノブがついていれば、それを見た人は「ドアノブを回し、押すか引くかして開ける」という動作を強く想像します。
このドアノブのように、「人がそのものに対してどのような動作をすればよいかを表すサイン」となるものをシグニファイアといいます。
上記のドアの例では、押したらいいのか、引いたらいいのかわからないので、ユーザは動作を誤る可能性があります。
ユーザが正しい動作が直感できるようにシグニファイアを考える必要がありますね。
ユーザインタフェース
ユーザインタフェース(UI)とは、人とコンピュータの間で情報の受け渡しを担うもののことです。
具体的には、人がコンピュータを操作するためのキーボードやマウス、タッチパネルといった入力手段や、コンピュータから情報を受け取るための画面やスピーカーなどの出力手段が該当します。
ユーザインタフェースの種類
| 種類 | コンピュータの操作方法 | 入力手段 |
|---|---|---|
| CUI(Character-based User Interface) | 文字だけで操作する | キーボード |
| GUI(Graphical User Interface) | アイコンなどにより視覚的に操作する | マウス、タッチパネル |
| NUI(Natural User Interface) | 人間同士のコミュニケーションのように、話し声や身振り手振りで操作する | 音声、ジェスチャー |
NUIならコンピュータの操作に慣れていない人でも使えそうね。
CUIは大量の情報を処理する場面に向いているんですよ。
使う人や目的によって使い分けることが大切です。
使いやすさの尺度
ものやサービスの使いやすさの尺度には、「ユーザビリティ」と「アクセシビリティ」があります。
ユーザビリティとは、ものやサービスの使い勝手のことです。
「使いやすい」「使い方がわかりやすい」「使ったときに疲れにくい」といった点が評価されます。
ただし、ユーザビリティは人によって感じ方が異なることがあります。
例えば、コンピュータの画面に細かい文字で大量の情報を出力する機能は、あるユーザは「一度に情報を得られて便利だ」と感じるかもしれませんが、別のユーザは「字が小さすぎて読みづらい」と感じるかもしれません。
そこで、文字サイズを変更する機能や、音声で読み上げる機能を用意することで、誰でも情報にアクセスすることができるようになります。
このように、さまざまな人にとっての情報やサービスへのアクセスのしやすさや、利用のしやすさを、アクセシビリティといいます。
ユーザエクスペリエンス
ユーザがものやサービスを利用して得られる体験や感動のことを、ユーザエクスペリエンス(User eXperience,
UX)といいます。
例えば、「使い方が簡単だった」「情報がわかりやすかった」「気持ちよく使えた」という前向きな体験があると、ユーザエクスペリエンスが良いといえます。
逆に、「時間がかかってイライラした」「操作がわかりにくかった」という体験があると、ユーザエクスペリエンスが悪いといえます。
ユーザが良い体験ができるように、ユーザビリティやアクセシビリティを高める工夫をすることが大切です。
気持ちよく使えるものやサービスは、また使いたくなるよな!
バリアフリー
バリアフリーとは、高齢の人や障がいのある人が社会生活を送るうえで、障壁となるものを取り除く工夫のことです。
例えば目の不自由な人のためのバリアフリーとして、歩道の点字ブロックや、コンピュータの文字の読み上げ機能などがあります。
ユニバーサルデザイン
日常生活で使用する製品やサービスは、利用者の国籍、年齢、性別、身長、右利きや左利き、能力や障がいなどによらず、誰でも簡単に使えるように作られるべきです。
このような考え方や、このような考え方に基づいて工夫されたデザインを、ユニバーサルデザイン(UD)といいます。
ユニバーサルデザインの例
シャンプー、リンス、ボディソープの区別
シャンプーのボトルの側面には、ギザギザとした突起が突いています。
これにより、目が不自由な人だけでなく、洗髪中で目を瞑っているときも、触ることでシャンプーを区別することができます。
また、ボディーソープにもライン状の突起をつけて区別できるようにしています。
牛乳パックの切り欠き
紙パック飲料には牛乳、ジュース、お茶など様々な種類がありますが、どれも形が同じため、目の不自由な人が区別することが困難です。
そこで飲料メーカーでは、牛乳パックの上部に切り欠きをつける取り組みを行っています。
切り欠きは開け口と反対側につけられているため、目が不自由でない人にとっても、どちらから開けたら良いかが分かりやすくなります。
また、切り欠きは生乳100%の牛乳だけにつけられているため、加工乳や乳飲料などと区別するのに便利です。
画像引用元:牛乳パックの切欠き | 一般社団法人Jミルク Japan Dairy Association (J-milk)(https://www.j-milk.jp/knowledge/products/8d863s000007z1wa.html)
スマートフォンの音声認識機能
目や手の不自由な人でもスマートフォンを操作することができます。
また、荷物で手が塞がっているときや、複雑な操作が難しい子どもやお年寄りの人も操作ができて便利です。
障がいのある人だけでなく、誰にとっても便利になるのがユニバーサルデザインなんですね。
それでは、キーワードを振り返りましょう。
|
アフォーダンス |
人がものに対して行うことのできる動作。 |
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シグニファイア |
人がそのものに対してどのような動作をすればよいかを表すサインとなるもの。 |
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ユーザインタフェース(UI) |
人とコンピュータの間で情報の受け渡しを担うもの。キーボードや画面など。 |
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ユーザビリティ |
ものやサービスの使い勝手。 |
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アクセシビリティ |
能力や条件によらない、さまざまな人にとっての情報やサービスへのアクセスのしやすさや、利用のしやすさ。 |
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ユーザエクスペリエンス(UX) |
ユーザがものやサービスを利用して得られる体験や感動。 |
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バリアフリー |
高齢の人や障がいのある人が社会生活を送るうえで、障壁となるものを取り除く工夫。 |
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ユニバーサルデザイン(UD) |
「日常生活で使用する製品やサービスは、誰でも簡単に使えるように作られるべき」という考え方。 または、このような考え方に基づいて工夫されたデザイン。 |
次は、配色とフォントの工夫について学びましょう。