第1問-問3を一緒に解答しよう

ここからは、問3の内容を確認していきましょう。
問3は、ユーザインタフェース、つまり画面設計でどのように部品を画面に置き、初期設定をどうしたら使いやすくなるのかを考える問題です。
それでは問題を見ていきましょう。

問3 前半の問題

今回の出題テーマ

ユーザインタフェース

この問題は、IP01-07 情報デザインと表現方法及びIP04-03 正しくデータを集め、正しく扱う方法で学習した内容が含まれています。

あるアプリを初めて使うときにユーザ登録をすることがありますよね。

その時に、住所や生年月日などの入力で手間取ったことはありませんか?

あります。

ゲームでも生年月日を入力することってあるんだけれど、日付を選ぶのに手間取る時があるんですよね。

わかるー。直接入力するのも面倒だけれど、1900年から回して選んだりするときもあるよね。

そうですよね。それでは、どうしたら使いやすくなるのか、時間かけずに入力できるようになるのかを考える問題です。

どのように出題されているか確認していきましょう。

問3

 次の文章を読み,空欄 コ ・ サ に入れるのに最も適切なものを,後の解答群のうちから一つずつ選べ。

T社では,あるサービスを展開している。そのサービスのスマートフォン専用アプリを開発するにあたり,新規ユーザ登録の入力インタフェースとして,図4の生年の入力方法を考える。

生年の入力方法

図4 生年の入力方法

 図4では,年リストの中央に表示されている初期値は2000になっている。 2008年生まれの人は,スクロール操作によりホイールを回転させ, リストの中央に2008を表示させることで入力する。 この操作では,スクロールする移動距離 (以下,スクロール距離と呼ぶ。)は8である。 また,1997年生まれの人のスクロール距離は3となる。 なお,年リストの上限は2100,下限は1900とし,それより上下にはスクロールしない。

 生年の初期値について,直近1年間に登録されたユーザの生年データの分布(図5)をもとに検討する。 表1に生年データの分布をもとに考えた生年の初期値の候補を示す。 新規に登録するユーザの生年の分布は,直近1年間で登録されたユーザの生年の分布と変わらないと考えると, この分布に対してスクロール距離の平均ができるだけ小さくなるような初期値は, 表1の中では生年データの コ である。

 誕生月についても,図6に示すスクロール操作で入力することを考える。 月リストはスクロールにより1周すると元に戻る。 つまり,12の下は1,1の上は12である。 新規ユーザの誕生月の分布に偏りがない場合,登録に要するスクロール距離の平均は, 月リストの初期値を サ と考えられる。

なお,月リストをスクロールしても,入力済みの生年には影響しない。

図5 直近1年間に登録されたユーザの生年データの分布

表1 生年の初期値の候補

図6 誕生月の入力方法

コ の解答群

⓪ 中央値   ① 最頻値
② 範囲 (1935~2005) の中央の値   ③ 最大値

サ の解答群

⓪ 1にするとそれ以外にしたときよりも小さくなる

① 12 にするとそれ以外にしたときよりも小さくなる

② 6か7のいずれかにするとそれら以外にしたときよりも小さくなる

③ どの月にしても変わらない

問3前半の解説

西暦年を入力するときを例にした問題です。

ここでキーポイントになる用語が太字で記述されています。

問題文の抜粋

生年の入力方法

図4 生年の入力方法

 図4では,年リストの中央に表示されている初期値は2000になっている。 2008年生まれの人は,スクロール操作によりホイールを回転させ, リストの中央に2008を表示させることで入力する。 この操作では,スクロールする移動距離 (以下,スクロール距離と呼ぶ。)は8である。 また,1997年生まれの人のスクロール距離は3となる。 なお,年リストの上限は2100,下限は1900とし,それより上下にはスクロールしない。

この文章では、「スクロール距離」という用語が説明されていますね。

はい、「スクロール距離」についてまとめると次のようになります。

スクロール距離とは

  • 初期値は2000年である
  • スクロール操作でホイールを回転させることで入力する
  • 2008年までスクロールさせた場合、移動距離は8である
  • 移動距離をスクロール距離と呼ぶ

2000年から2008年までスクロールさせると移動距離が「8」なんですよね。

ということは1年分スクロールさせると移動距離が「1」ということですね。

実際に生年月日を入れるとしたら、「初期値から何年分離れているか」が移動距離ということですね。

だから、2000年から1997年までスクロールさせても移動距離が「3」ということか。

そうですね。では、続きの問題を確認しましょう。

 生年の初期値について,直近1年間に登録されたユーザの生年データの分布(図5)をもとに検討する。 表1に生年データの分布をもとに考えた生年の初期値の候補を示す。 新規に登録するユーザの生年の分布は,直近1年間で登録されたユーザの生年の分布と変わらないと考えると, この分布に対してスクロール距離の平均ができるだけ小さくなるような初期値は, 表1の中では生年データの コ である。

図5 直近1年間に登録されたユーザの生年データの分布

表1 生年の初期値の候補

図6 誕生月の入力方法

デザインとかユーザインタフェースの内容だけではなく、グラフを使ったデータの特性を考えた内容も出てくるのですね。

そうですね。単純な問題だけではなく、多くの分野を含んだ複合問題が出題されていますね。

問われている内容は「図5と同じ分布になるとき、平均スクロール距離が最も小さい初期値は何か」ということです。

まず、図5の分布をみてわかることはありますか?

図5を見ると真ん中あたりに人が集まっている感じがするけれど、結構範囲が広いと思います。

たくさんの人が生まれている年代の近くを初期値にするとスクロールする量が少なくなりそうかな?

そうですね。図5を見ると生年データはある程度の範囲に集まっていますが全体としては広い範囲に分布しています。

そのため、端の値を初期値にすると一部の人は大きくスクロールしなければなりません。

ここで、表1の候補も確認してみましょう。

表1の候補

候補 意味
中央値 データを順番に並べたときの中央の値
最頻値 最も多く現れる値
範囲 (1935〜2005) の中央値 最小値と最大値の真ん中
最大値 最も大きい値

最大値の2005を初期値にすると昔に生まれた人はたくさんスクロールしないといけないからこれは違うことはわかる。

うーん⋯。真ん中に近い値を選んだ方が全体の移動距離が小さくなりそうです。

そうですね。「スクロール距離の平均をできるだけ小さくする」ための値は何かということを考えていきます。

表1の候補から考えていきましょう。

最頻値を初期値とした場合

「最頻値」を初期値として使った場合はどうなるでしょうか?

最頻値って、データ数が一番多いところですよね。

これを初期値とすると、多くの人の移動が少なくなりそうだけど⋯。

図5をみると、少し離れた所でもユーザ数は多いので、その人はたくさん移動しそうだよね。

その通りです。最頻値は「最も人が多い場所」を表していますが、少し離れた年代にも多くの人が分布しています。

そのため、最頻値を初期値にすると一部の人は大きくスクロールする必要があり全体の平均移動距離が大きくなってしまう可能性があります。

範囲(1935〜2005)の中央値を初期値とした場合

では、「範囲(1935〜2005)の中央値」を初期値として使った場合はどうでしょうか?

1935年と2005年の真ん中だから、範囲全体では中央になりますね。

でも、図5を見るとユーザは均等に分布しているわけじゃないですよね。

人が多い年代と少ない年代がありそうです。

その通りです。範囲の中央値は「最小値と最大値の真ん中」を表していますが、実際のデータの分布は考慮していません。

この問題では、多くのユーザが集まっている位置を考えることが重要なので、範囲の中央値では全体の平均スクロール距離を十分小さくできない可能性があります。

中央値を初期値とした場合

では、「中央値」を初期値として使った場合はどうでしょうか?

中央値は、データを順番に並べたときの真ん中の値ですよね。

つまり、データ全体の中心に近い値になるってことですね。

その通りです。中央値は、実際のデータの分布を考慮した「真ん中」を表しています。

そのため、多くの人のスクロール距離をバランスよく小さくでき、全体の平均スクロール距離を小さくしやすいと考えられます。

説明を読んで解答群から答えを選びましょう。

コ の解答群

⓪ 中央値   ① 最頻値
② 範囲 (1935~2005) の中央の値   ③ 最大値

A n s w e r

答えは、コ=⓪ です。


スクロール距離の平均をできるだけ小さくするには、データ全体の中心を表す中央値を初期値にするのが適しています。

ポイント

  • スクロール距離は、初期値と実際の生年との差で考える
  • 最頻値は「最も多い値」だけを見ており、全体の移動距離が小さくなるとは限らない
  • 範囲の中央値は「最小値と最大値の真ん中」であり、実際の分布は考慮していない
  • 平均的なスクロール距離を小さくしたい場合は、データ全体の中央にあたる中央値が適している

✏️類題にチャレンジ

この問題はチャレンジ問題です。

難しいや時間がないと感じた場合は次に進みましょう。

ある動画配信サービスでは、利用者が最もよく利用する動画再生速度を初期設定にしたいと考えています。
図1は、利用者が最もよく利用している動画再生速度の分布です。
利用者が最も多く利用している再生速度を初期設定にする場合、最も適切な値として次の⓪~③のうちから一つ選んでください。

図1 動画再生速度の分布

x0.5 x1 x1.5 x2 x2.5 x3 x5 動画再生速度 利用者数
解答群
  • ⓪ 再生速度の最頻値
  • ① 再生速度の中央値
  • ② 再生速度の平均値
  • ③ 再生速度の最大値
ヒントをみる

「最も多く利用されている値」 に注目して考えてみましょう

図1 動画再生速度の分布

x1.5付近に利用者が最も集中している

それ以外の再生速度にも少数の利用者が存在する

問3 後半の問題

問題文の抜粋

 誕生月についても,図6に示すスクロール操作で入力することを考える。 月リストはスクロールにより1周すると元に戻る。 つまり,12の下は1,1の上は12である。 新規ユーザの誕生月の分布に偏りがない場合,登録に要するスクロール距離の平均は, 月リストの初期値を サ と考えられる。

なお,月リストをスクロールしても,入力済みの生年には影響しない。

図5 直近1年間に登録されたユーザの生年データの分布

表1 生年の初期値の候補

図6 誕生月の入力方法

サ の解答群

⓪ 1にするとそれ以外にしたときよりも小さくなる

① 12 にするとそれ以外にしたときよりも小さくなる

② 6か7のいずれかにするとそれら以外にしたときよりも小さくなる

③ どの月にしても変わらない

後半の問題は、「月の入力」についての問題です。

月の入力は、誕生年と同じ部品を使ってスクロールさせて入力します。

じゃあ、年と同じように考えればいいってこと?

違うと思うな。

月は年と違って「1~12」までしかないし、12までいくと1周して元に戻るしね。

いいところに気付きましたね。

同じ部品を使ってますが年とは少し異なる部分もあります。

解説を見て確認しましょう。

問3後半の解説

この問題では 「誕生月リストの初期値を何月にすると スクロール距離の平均が小さくなるか」 を考えます。

まず 月リストにはどのような特徴がありますか?

問題文の抜粋

 誕生月についても,図6に示すスクロール操作で入力することを考える。月リストはスクロールにより1周すると元に戻る。つまり,12の下は1,1の上は12である。新規ユーザの誕生月の分布に偏りがない場合,登録に要するスクロール距離の平均は,月リストの初期値を サ と考えられる。

なお,月リストをスクロールしても,入力済みの生年には影響しない。

12の下は1で1の上は12になるって書いてあります。

月リストは1周すると元に戻るんですね。

しかも、「誕生月の分布に偏りがない」ってあるからどの月も同じくらいの人数ってことですね。

その通りです。
どの月も同じくらいの人数なら特定の月だけが有利になることはありません。

この問題のポイント

条件 意味
月リストは1周する 12の次は1になりどの月からでも循環する
分布に偏りがない どの月も同じくらいの人数がいる

じゃあ、1月でも6月でも12月でもあまり変わらないってことですか?

そうですね。
どの月を初期値にしても全体としての平均スクロール距離は同じになります。

A n s w e r

答えは、サ=③ です。


誕生月の分布に偏りがなく 月リストは循環するため どの月を初期値にしても平均スクロール距離は変わりません。

ポイント

  • 月リストは循環しているため 12の次は1になる
  • 誕生月の分布に偏りがないため 特定の月だけが有利にならない
  • どの月を初期値にしても 平均スクロール距離は同じになる

※この再現版では提出は行いません(送信先は未接続です)

Well done!

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