次のデータは、あるグループの通学時間(分)です。
まずは「このまま」箱ひげ図にしてみます。
このスライドの学習内容
次のデータは、あるグループの通学時間(分)です。
データ(通学時間:分)
15, 20, 25, 30, 35, 40, 45, 50, 55, 60, 180
まずは「このまま」箱ひげ図にしてみます。
箱ひげ図
上のヒゲがめちゃくちゃ長い!
箱も小さい⋯とてもバランスが悪い箱ひげ図ですね。
大事な気づきです。
箱ひげ図の形がゆがむときは、極端な値が混ざっている可能性があります。
今回の数値を確認しましょう。
箱ひげ図を作成した元データ
このデータの中で、最後の「180」が他の値より大きい値になっています。
「180」の値が、上のヒゲを伸ばし、箱ひげ図の形をいびつにしています。
「180」がある場合とない場合で箱ひげ図がどのように違うか比べてみましょう。
180のデータが一つあるだけで、こんなに箱ひげ図が変わるんだな。
そうだよね。でもデータが一つ増えただけなのに、こんなにイメージが変わっていいのかな?
そうですね。180のような極端に大きい値が入ると、 箱ひげ図の目盛りが広がってしまい、見た目が大きく変わってしまいます。
この場合、データの特徴をより分かりやすく表している箱ひげ図はどちらだと思いますか?
うーん⋯。見た目は180が入っていないほうが見やすいけれど、全部データが入っていないといけないと思うのでやっぱり「180が入ったデータ」の箱ひげ図で考えるほうが正しいんじゃないかな?
でも、たった1件のデータだからこういった極端なデータは無視しても良さそう。
どちらの図が良いかの前に一つ確認します。
180のように、収集したデータの中に他のデータと比べて大きく離れた値をなんと呼んでましたか?
たしか⋯「外れ値」と呼んでいたと思う⋯。
正解です。よく覚えていましたね。
箱ひげ図には外れ値は外れ値として表示することができます。
なるほど、「180」が入っていない箱ひげ図に「180」を外れ値として表示するということですね。
はい、そうです。外れ値は「◯」や「✕」で表します。
次の箱ひげ図は、「180」を外れ値として表示した例です。
このように、外れ値があるデータを箱ひげ図には含めず表示することで、より実際の傾向が分かりやすい箱ひげ図にできます。
なるほど。外れ値を消すんじゃなくて、別に表示するんですね。
これならデータは全部残したまま、全体の傾向も分かりやすくなるね。
その通りです。
箱ひげ図では、外れ値を特別な点として表示することで、 データの特徴を分かりやすく表します。
では次に、どの値を外れ値と判断するのかを確認していきましょう。
外れ値は1つとは限りません。
データによっては、複数の外れ値が見つかる場合や、 上側と下側の両方に外れ値が現れることもあります。
箱ひげ図では、外れ値をひげに含めず、外れ値として別に表示することで、データの傾向を見やすくすることがあります。
次の3つのデータを見てください。それぞれの末尾のデータは外れ値でしょうか?
データ(通学時間:分)
パターン1:15, 20, 25, 30, 35, 40, 45, 50, 55, 60, 120
パターン2:15, 20, 25, 30, 35, 40, 45, 50, 55, 60, 110
パターン3:15, 20, 25, 30, 35, 40, 45, 50, 55, 60, 100
うーん⋯。最後の数字が全部大きいから、 120も110も100も全部外れ値じゃないかな。
私は、120だけ外れ値だと思う。
110や100は大きいけど、 そこまで極端な感じはしない気がする。
二人の意見はどちらもよくある考え方ですね。
でも実は、外れ値は 「なんとなく大きい」で決めるのではなく、 きちんとした基準で判断します。
えっ、外れ値ってルールで決めるんですか?
はい。箱ひげ図では、 四分位数を使って外れ値を判断します。
具体的には、 第1四分位数(Q1)と 第3四分位数(Q3)から 計算した範囲の外にある値を外れ値と考えます。
見た目だけで判断するんじゃないんですね。
そうです。
次は、外れ値を判断する基準を確認します。
外れ値は、箱ひげ図の「ひげの下側にある外れ値」と「ひげの上側にある外れ値」の2種類があります。
外れ値のイメージ図
なるほど!基準値があってそれを超えると外れ値ってことですね。
その通りです。
外れ値は「なんとなく大きい値や小さい値」ではなく、基準値を超えたかどうかで判断します。
基準値ってどうやって決めているのかな?
箱ひげ図では、四分位数を使って基準値を計算して求めます。続いて計算方法を確認しましょう。
外れ値の基準値の計算方法
まず、四分位範囲(IQR)を求めます。
IQR = 第3四分位数(Q3) − 第1四分位数(Q1)
「IQR」は箱ひげ図の箱の長さのことです。
求めたIQRを使い、次の式で外れ値の基準値を計算します。
外れ値の下限 = Q1 ー 1.5 × IQR
外れ値の上限 = Q3 + 1.5 × IQR
この範囲より外にある値が 外れ値になります。
外れ値って、大きい値だけじゃないんですね。
そうです。
上に大きく外れる場合と、 下に小さく外れる場合の 2つの方向があります。
つまり、 極端に大きい値だけじゃなくて、 極端に小さい値も外れ値になることがあるんですね。
最初のデータを例題として計算してみましょう。
例題
データ
15, 20, 25, 30, 35, 40, 45, 50, 55, 60, 180
Q1(第1四分位数) = 25
Q3(第3四分位数) = 55
IQR = 55 − 25 = 30
外れ値の下限 = 25 − (1.5 × 30)
= 25 − 45
= −20
外れ値の上限 = 55 + (1.5 × 30)
= 55 + 45
= 100
例題のデータでは、100より大きい値が外れ値になるんだ!
その通りです。
このデータでは 180が 外れ値になります。
パターン1,2,3にあるそれぞれのデータ、「120」、「110」、「100」がそれぞれ外れ値か答えましょう。
ただし、外れ値は「>基準値」または「<基準値」の時とします。
データ(通学時間:分)
パターン1:15, 20, 25, 30, 35, 40, 45, 50, 55, 60, 120
パターン2:15, 20, 25, 30, 35, 40, 45, 50, 55, 60, 110
パターン3:15, 20, 25, 30, 35, 40, 45, 50, 55, 60, 100
問題1 パターン1の「120」外れ値か答えてください。
問題2 パターン2の「110」外れ値か答えてください。
問題3 パターン3の「100」外れ値か答えてください。
※この再現版では提出は行いません(送信先は未接続です)