ユニバーサルデザイン

世の中には、子ども、若者、お年寄りや男性、女性、そして、右利きの人、左利きの人など、様々な人がいます。そして、多様性を認めて誰もが暮らしやすい社会を目指すためにはユニバーサルデザインが不可欠です。ユニバーサルデザインについて理解しましょう。

スライドの学習内容

  • 1. ユニバーサルデザイン
  • 2. ユニバーサルデザイン7原則
  • 3. バリアフリー

1. ユニバーサルデザイン

ユニバーサルデザインとは、年齢や、男女、障がいがあるやないなど関係なく、世の中の人の誰もが同じように「サービス」や「製品」を利用できるように設計する考え方です。家の中だけではなく、駅や学校などの公共施設など、誰もが暮らしやすい社会を実現するためにユニバーサルデザインは普及しています。

ユニバーサルデザインの製品とそうでない製品にはどのような違いがあるか、見てみましょう。

例えば次の急須を見てみましょう。

普通にある急須ですが、誰でも使いやすいデザインか考えてみましょう。

この急須は右利き用として作られていることに気付いたでしょうか?

そのため、左利きの人には使いにくなってます。
この急須で左手でお茶を入れるところを想像してみてください。右手に比べて入れにくいと思いませんか?

この急須は、左利きの人は使いにくいためユニバーサルデザインの製品とはいえません。

この急須を右利き、左利きどちらでも同じように使えるようにデザインするとどのようになるでしょうか。考えてみましょう。

例えば、つぎのようなものが考えられます。

急須の取っ手を上の方に取り付けることで、左右どちらの手でも同じように持つことができます。

そのため、右利きでも左利きでも同じようにお茶を入れることができます。この急須はユニバーサルデザインの製品といえます。

急須の取っ手の位置を変えるだけでも使いやすさが変わります。誰もが使いやすいデザインにするためにはどのようなことに気を付ければよいか学習しましょう。

2. ユニバーサルデザイン7原則

ユニバーサルデザインを実現するために、注意するポイントをとしてアメリカの建築家であるロナルド・メイスが中心になって考案したものが、次の「ユニバーサルデザイン7原則」です。

ユニバーサルデザイン7原則

  • ① 誰でも公平に利用できること
  • ② 使う上で自由度が高いこと
  • ③ 簡単で直感的に使えること
  • ④ 必要な情報が簡単に理解できること
  • ⑤ うっかりミスや危険につながらないこと
  • ⑥ 身体的な負担が少なく楽に使えること
  • ⑦ 使いやすい空間が確保されていること

ユニバーサルデザイン7原則について、具体例を見ながら確認していきましょう。

ユニバーサルデザイン7原則

① 誰でも公平に利用できること

自動ドアは誰でも扉の近くに移動すれば自動で開きます。車いすの人や、両手がふさがっている人であっても同じように利用できます。

公平に使えるということは「身体的・心理的な壁がなく容易につかえる」ことです。

例えば、ノンステップバスは「段差があってバスに乗るのに時間がかかって迷惑だから乗らない」という心理的な壁を失くすことにもつながります。

その他の例:「坂道での手すり」 など

② 使う上で自由度が高いこと

フロアを移動するときに、階段、エスカレーター、エレベーターなど複数の手段があれば、好きな手段を選んで移動することができます。お年寄りや車いすの利用者など、階段やエスカレータを使うことが難しい人でもエレベーターを使って移動することができます。

使う上で自由度が高いということは、それぞれの好みや状態にあわせて使えることです。

その他の例:「両利き用ハサミ」、「多目的トイレ」 など

③ 簡単で直感的に使えること

部屋の照明をつけるときに、大きく押しやすい形のスイッチがあれば迷うことなく照明をつけることができます。また、シャンプーなどのボトルに「ギザギザ」の線をいれることで、触るだけでわかるようにすれば、目の見えない場合でも間違うことはありません。

目立つ色や大きくしたボタンやレバー、スイッチなど、直感的に操作できるデザインであることが重要です

シャンプーは「ギザギザ」、ボディソープは「線」、リンスは「何もない」とすることで触るだけでわかるようになっています。

その他の例:「レバー式の蛇口」 など

④ 必要な情報が簡単に理解できること

ピクトグラムは、文字が読めない場合でも一目で理解することができます。日本語がわからない外国人や漢字がわからない子ども、小さい字が見えにくいお年寄りでも、一目で伝えたい情報が伝わります。

必要な情報や重要事項をすぐに理解できるように、文字だけでなく絵を入れたり、複数の言語や手段で情報をつたえることが重要です。

その他の例:「多言語の案内板」 など

⑤ うっかりミスや危険につながらないこと

うっかりミスをした場合、元の状態に戻れるようにしたり、意図しない行動が危険な状態にならないことが求められます。例えば、誤ってデータを消してしまっても、復元できれば大切なデータを失わずに済みます。

ミスや危険性を未然に防ぐこと、また、仮に間違えた時でもフォローできると安心につながります。

その他の例:「空焚き防止の電気ポット」 など

⑥ 身体的な負担が少なく楽に使えること

センサー式の蛇口は、手をかざすだけでスムーズに手洗いができます。蛇口を回す力も不要なので、だれでも負担なく利用することができます。

無理な姿勢になったり、強い力を必要とするような身体への負担をかける動作を不要とする配慮が必要です。

その他の例:「取り出し口が中央の高さにある自動販売機」 など

⑦ 使いやすい空間が確保されていること

誰でも使いやすい空間が必要です。思いやり駐車場は、車いすの人でも楽に乗り降りができるように広幅なスペースがとられています。

利用者の身体、姿勢、能力に関わらず、使いやすい寸法や空間になっている必要があります。

その他の例:「車いすでも乗れるタクシー」 など

ユニバーサルデザイン7原則をすべて満たす必要はありません。1つ以上満たすことでユニバーサルデザインになります。

コ ラ ム

デザインされたものがどのくらい使いやすいのかを表すものに「アクセシビリティ」、「ユーザビリティ」があります。

  • アクセシビリティ

    製品やサービスが、あらゆる人にとって利用しやすい状態にあることを表します。

    例えば、スマートフォンで文字を大きくする機能や音声で読み上げる機能があれば、見ることが困難な状態でも利用することができます。

  • ユーザビリティ

    製品やサービスが使いやすいことを表します。

    例えば、スマートフォンは、シンプルで統一された、分かりやすいメニューやボタンが配置されていることで、ユーザーは簡単にアプリを操作できます。

アクセシビリティは「使えるかどうか」、ユーザビリティは「使いやすさ」、ユニバーサルデザインは「使いやすいものを作る考え方」のことです。

ユニバーサルデザインについて理解できたでしょうか?

ユニバーサルデザインに似た言葉で「バリアフリー」という言葉があります。2つの言葉の違いについて学習しましょう。

3. バリアフリー

バリアフリー

バリアフリーとは、モノを利用するときに、「バリア」となっている障がいを失くしていこうとする考え方のことです。

大きく4つのバリアがあります。

  • ① 物理的なバリア

    バスや電車、道路、建物などにおいて、使う人に移動面で困難をもたらすバリアのことです。

    例えば、エレベーターのボタンが高いところにあった場合、車いすの人はボタンを押すことが困難です。

    画像引用:政府広報オンライン

  • ② 制度的なバリア

    社会のルールによって障がいのある人が障がいを理由に断られるバリアのことです。

    例えば、盲導犬を連れての入店を断られる事があります。

    画像引用:政府広報オンライン

  • ③ 文化・情報面でのバリア

    情報の伝え方が不足しているために、必要な情報が得られないバリアのことです。

    例えば、音声だけでお知らせがあった場合、音声を聞き取りにくい人には情報が伝わりません。

    画像引用:政府広報オンライン

  • ④ 意識上のバリア

    偏見や差別、無関心により、障がいのある人を受け入れないバリアのことです。

    例えば、視覚に障がいがある人のための点字ブロックに、無意識でモノを置いたり立っていることがあります。

    画像引用:政府広報オンライン

これらのバリアをなくしていくことがバリアフリーです。

バリアフリーには次のようなものがあります。

  • ホームドア

    列車が止まった時だけ開き、それ以外は閉じて線路への転落を防いでいます。

    画像引用:政府広報オンライン

  • 点状(てんじょう)ブロック

    視覚に障がいがある人に道案内をするために設置されます。

    駅のホームの点状ブロックは線路への転落を防ぐため、線路側かホーム側かわかるように工夫されています。

    画像引用:政府広報オンライン

バリアフリーとユニバーサルデザインの違い

バリアフリーは、障がいにより「バリア」を感じている人たちのために、その「バリア」を取り除こうとする考え方です。

ユニバーサルデザインは、年齢や性別、障がいの有無などにかかわらず、どんな人でも利用しやすい環境を創る考え方です。

バリアフリーとの違いは、誰もが使いやすいように、最初から段差などないようにデザインするところです。

ユニバーサルデザインは、最初からどんな人でも使いやすいように、建物や製品、環境や情報などすべてのモノについて、バリアのないデザインにしようという考え方です。

次のアクティビティではユニバーサルデザインについての確認テストを行います。どのくらい覚えているか確認しましょう。

Well done!

次のステップに進みましょう!

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