ピクトグラム

学校や駅、映画館などで次の絵を見たことはありませんか?

この絵は、知っている人も多いと思いますが非常口を表しています。伝えたい情報を抽象化し、単純な構図で表した視覚記号はピクトグラムと呼ばれます。

ピクトグラムについて学習しましょう。


スライドの学習内容

  • ピクトグラムとは
  • ピクトグラムの歴史
  • ピクトグラムの改善点

ピクトグラムとは

ピクトグラムとは、文字や言葉を使わずに情報を伝えるために、伝えたい情報を誰が見てもわかるようにした絵のものです。例えば、トイレのマークや非常口のマークなどがピクトグラムです。ピクトグラムは、世界中の人が理解できるように、シンプルでわかりやすいデザインになっています。

トイレを表すピクトグラム

非常口を表すピクトグラム

2021年に行われた東京オリンピックでも話題になっていましたね。

東京2020オリンピックスポーツピクトグラム

ピクトグラムの歴史

ピクトグラムの歴史について勉強しましょう。

  • 1920年代

    オーストリア出身の社会・経済学者であるO.ノイラートがピクトグラムの原型である「アイソタイプ」を開発。

ピクトグラムは、1920年代にオーストリア出身の社会・経済学者であるO.ノイラートが作った「アイソタイプ」が起源とされています。「アイソタイプ」は、もともとは文字が読めなくてもわかるように児童教育用に開発され、文章を読む習慣がない市民にも、簡単な絵を使って複雑な社会や経済の情勢を伝えるために使われていました。

アイソタイプ例:米国とその他の国で生産される自動車について
※線を境に左が「米国の自動車生産数」、右が「その他の国の自動車生産数」を表しています。

引用:オットー・ノイラートの活動 / アイソタイプを紐解く https://www.2-space.net/articles/8

  • 1964年

    美術評論家の「勝見 勝」さんを中心に11人のデザイナーによって東京オリンピックで使うためのピクトグラムが作成される。

    日本の家紋をヒントにデザインされた。

1964年に開催された東京オリンピックの時に、「どの国の人が見てもわかるマークを作ろう」という目的のために集められたデザイナーを中心に、競技種目用や施設設備用で39種類のピクトグラムが作られ、世界中に広がりました。

1964年の東京オリンピック後、1970年の大阪万博で定着しました。

ピクトグラムが広まった要因の一つに著作権の放棄があげられます。開発したデザイナーたちは「社会に還元すべき」という考えがあり、全世界に広まりました。

1964東京オリンピックのピクトグラム

引用:NIPPON DESIGN CENTER ’64 東京オリンピック 競技シンボル、入場券
https://www.ndc.co.jp/works/tokyoolympic-picto-1962/

現在のピクトグラムは個人や会社で作成したものから自治体や国で作成したものなどがあります。また、日本ではJIS、世界ではISOとして規格化されたピクトグラムもあります。

ピクトグラムの改善点

ピクトグラムは、「誰が見てもわかりやすい」という特徴がありますが、本当にそうなのか確認していきましょう。

次のピクトグラムは何を表しているか考えてみましょう。

このピクトグラムを見て矢印の方向に行けばトイレがあると思った人は多いと思います。

このピクトグラムには、便器などトイレを連想させるものは描かれていません。それでは、なぜトイレを指していると思ったのか考えてみてください。

普段生活している学校や駅、ショッピングセンターなどの施設で当たり前のようにトイレには上記のようなピクトグラムがあります。そのため、このマークから連想したのではなく、このピクトグラムがあればトイレだと認識しています。

このほかに、男性は「青」、女性は「赤」で色分けされていますが、日本以外では色分けされていることは多くありません。男女とも同色で描かれていることが一般的です。それは次の2つの理由があります。

  • 色弱者への配慮

    色弱者の場合、色の区別がつきにくいため色で分けた場合、性別の異なるトイレに入りトラブルになる恐れがあるためです。

  • 空間デザインへの配慮

    例えば、モノトーンで統一された空間に、「青」や「赤」のマークがあると浮いてしまい折角のデザインが台無しになってしまいます。

トイレを表すピクトグラムのように、当たり前のように使っているものの中には、絵を見ただけではわかりにくいものがあるかもしれません。外国人など環境が異なる人が見た場合でもわかるかどうか、視点を変えて考えるようにしましょう。

次の例を見てみましょう。

何を表しているピクトグラムでしょうか。

これもよくみるピクトグラムです。皆さんは「温泉」を表すマークとわかった人も多いと思います。

しかし、外国人がこのマークを見ても温泉とは思わないようです。

多くの外国人はこのマークを見ると、ホットプレートなどで温められた料理と湯気を連想する人が多いそうです。そのため、ISOでは温泉マークを次のように制定しています。日本でも外国人向けにISOマークを使うところが増えています。

ISOの温泉ピクトグラム

このように普段見ているピクトグラムにもまだまだ改善ができるところがあります。ピクトグラムを作成するアクティビティの時には、どうしたらだれでもわかるピクトグラムの作成ができるかを、考えて作成しましょう!

ポ イ ン ト
  • ピクトグラムとは、伝えたい内容を誰が見てもわかるようにした絵のことです。
  • O.ノイラートがピクトグラムの原型である「アイソタイプ」を開発しました。
  • 現在のピクトグラムは1964年に行われた東京オリンピックで作成されました。
  • 勝見勝さんを中心に11人のデザイナーによって39種類のピクトグラムが作成されました。
  • 日本の家紋をヒントにピクトグラムが考案されました。
  • ピクトグラムは著作権が放棄され、だれでも考案し使えるため世界に広まりました。
  • 普段目にするピクトグラムでも改善できる余地があります。

次のアクティビティで、色々なピクトグラムが出題されます。何を示すピクトグラムか当ててみましょう!

Well done!

次のステップに進みましょう!

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